top of page

京都おもちゃライブラリー連絡協議会主催 学習会のご報告

「地域でありのままに暮らす 〜暮らしの場が出来るまで〜」 

2016年6月12日、京都市障害者スポーツセンターでおもちゃライブラリー連絡協議会主催の学習会を開きました。お話をいただいたのは、社会福祉法人「やましなの里」 生活介護事業所所長の津田尚子さん。「やましなの里」がこの6月1日に開所したショートステイとグループホームができるまでの道のりと現状などをお話いただきました。

 参加者は19名でした。

やましなの里は、1992年メンバー3名の小さな「療育」作業所として始まりました。「重い」障害のある人たちは、山奥の大きな施設で一生を過ごすことが普通だった時代に、地域でありのままに暮らす場を作りたいと「療育」をする作業所として京都市で初めて認可を受けました。以来毎年、保護者も職員も身体をはって大規模なバザーを開催して運営資金をつくり、支える人も支えられる人も頑張って運営を続けてこられました。新しい法律ができてからは社会福祉法人となり生活介護事業所を建設。定員20名となり職員を募り、事業を安定化させました。同時に準備委員会を立ち上げてショートステイの建設に向かったのが2008年。ちょうど第三者から寄附の申し出があり、いよいよ物件を探し始めました。しかしなかなかいい物件がありません。2012年保護者との協議の結果、土地を購入し新たな施設を建設する方向に動き始めます。そこからの費用を足し算すると、結局土地が4387万、建設費用が6779万(うち補助金は3321万)という結果になりました。予想以上に多額の費用がかかったのですが、でも本当に立派で心のこもった建物、ショートステイとグループホームができました。土地購入費は後援会、積立金、寄附金でまかなわれ、建物建設費の自己資金は400万、寄附1349万、借入金930万等でした。(当日の資料を希望される方は谷内までご連絡ください。)

しかし、これからも大変です。家賃、光熱費、食材費はグループホーム利用者等の自己負担ですが、そこからは人権費を出せません。現在の制度では区分6の人3名、区分4の人1名の計4名の利用者に対して報酬は月732672円しか出ません。この金額では充分な人手の確保ができません。赤字をどこで補うのか、助っ人をどうやって集めるのか、これからもまだまだ険しい道が続きます。制度の不足は黙ってみているだけでは動きません。使いながら、声をあげながら、前に進むしかない、津田さんはそう言います。

23年前「重い」障害のある人たちはいつも後回しされている気がすると感じていた津田さんが、そのまっすぐな性格のまま「やましなの里」と共に頑張って、とうとうここまでやってきました。お話を聞いてはじめは一億円という数字に圧倒されましたが、着実に一歩ずつ進んできた津田さんの想いや頑張りに心を打たれた時間になりました。

またタンタンからも見学会に行けたらいいなと思います。そしてグループホームでは、お手伝いに入れる人を求めておられます。問合せは575-3767まで。(タンタン通信より)

bottom of page