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 2019年10月27日 永年活動表彰記念「新みすずさんのおはなしを聞く会」

 本日のたかのおもちゃライブラリー、昨年の永年活動表彰を記念して、新みすずさんのお話を聞く会を開催しました。

 新さんは、古いメンバーなので、いつもお会いしているのですが、ちゃんとゆっくりお話を聞いたことがありませんでした。
 せっかく永年表彰を受けたのだから、一回、きちんとお話をしていただこうということになりました。

 新さんは、独身時代、やわたおもちゃライブラリーのボランティアさんだったそうです。なので、すでに活動していた京都のおもちゃライブラリーのメンバーやおもちゃライブラリーの「共に育つ」という精神を学び、その考え方に触発されながらMちゃんを育ててこられました。

 医者に赤ちゃんの施設入所を勧められても、なぜ親が育てられないと決めつけるのかと拒否し「一人の子どもとして保育して欲しい」と粘り強い交渉の末、保育園にも入れました。
 小学校では、担任の先生よりもむしろクラスメートが関わって、できることが増えてきたと言います。お母さんも毎日放課後、家を開放してたくさんの子どもたちを迎え入れ児童館のようだった、と話されました。
 中学校では、手のあいている先生がそばに付きそう環境でした。Mちゃんのことを理解するクラスメートが増えて授業中も静かに授業を聞くようになったり、移動教室も手を繋いで動いてくれたそうです。20歳の成人式は、中学校当時の担任の先生も応援にかけつけてMちゃんが全員の中で静かに座っているように作戦を練ってくださったのだそうですが、なんのことはない、晴れ着姿のMちゃんはすっかりお澄ましをしていて何も起こらず「M子も大人になったなあ」とクラスメートたちが言ったというエピソードも感動でした。

 高校は公立高校が家のすぐ前にあったのに選抜制度の壁が厚く受けても受けても合格通知がもらえません。新さんは府教委と話し合い、公立高校とも話し合いを続け「障害児を普通学級へ」の活動を一人で続けていました。その頃に知人がイラストを使ってすごくインパクトのある名刺を作ってくれたそうです。この名刺を持って10年間、地道に話し合いを続けてきた結果、大阪府下の11の普通高校に自立支援コースが設けられ各校定員3名、面接だけで入学を許可する制度や、定員に空きがあれば全員合格の制度が整えられてきました。

 府教委は、少し遠いけれども大阪市内の0高校の定時制への入学を提案。結局、Mちゃんは親子で電車での通学に挑み最終的には満員電車でも特急電車でも静かに音楽を聴きながら乗れるようになりました。また高校では先生よりもクラスメートがMちゃんを受入れて
文化祭も飛行機に乗っての北海道への修学旅行もできました。卒業後は龍谷大学のふれあい大学に通学して大学でのキャンパスライフも楽しみました。

 今では海外旅行もクリア。三ヶ月のショートステイもでき、事業所からはMちゃんは順応性が高い、お母さんがいろんな経験をさせてこられたからだろうとお墨付きももらえました。

 これからは自立生活をどのような居住環境で実現していくのかマンションを借りてもいいし家で暮らしてもいいしどんな方法があるかを今まさに模索中、とのことでした。

 参加者全員そのパワーに感銘を受けてエネルギーをもらった会になりました。

 参加者は11名。古いメンバーやボランティアさん、小さい時におもちゃライブラリーで遊び今では支援学校の先生になった青年も
参加でした。

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